【2023年最新版】ピアノ教室のホームページ作り方まとめ
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集客方法の1つとして、ホームページは多くのピアノ教室が活用している方法です。
ホームページがあることで「教室の情報を詳しく知りたい」と考えている未来の生徒さんに向けて、情報発信することができるようになります。
ただ、ピアノ教室の先生方はホームページ制作の経験がない方がほとんどです。
本記事では、こうしたホームページ制作が初めての方に向けて、
・制作前にどんな準備をすればいいのか
・ホームページの制作手段にはどんなものがあるのか
・その中で自分に合った制作手段をどう選べば良いのか
について、網羅的かつ専門的に解説していきます。
この記事で分かること
教室ホームページの制作方法
各制作方法のメリット・デメリット
自分に合った制作方法の見つけ方
IT初心者の方でも理解できるよう、専門的な内容もできる限り分かりやすく解説し、本記事を読み終わればすぐにでもホームページ制作に取り掛かることができるような内容にしていますので、読んでいただけると幸いです。
ピアノ教室におけるホームページとは?
ピアノ教室にとってのホームページは、Googleをはじめとする検索エンジン・SNS等から流入してきた訪問客を目的のアクション(体験レッスン〜入会)へと導くツールです。
ホームページ制作を始める際には、ホームページが担う役割を理解した上で、適切な目的設定と、その目的に沿った企画を準備しておくことが重要です。
WEBマーケティングの中でのホームページの立ち位置
ホームページは「訪問客」に向けて、ピアノ教室の魅力を伝える役割を持っています。
検索やSNSで興味を持ってもらえた訪問客に対して、ホームページを使ってピアノ教室の魅力を伝え、入会に繋がる次のアクションへ進んでもらう。
これがWEBマーケティングの中でのホームページの役割になります。
ホームページ経由の入会の価値は1名4,000円
ピアノ教室の魅力を伝えて入会者を増やす働きはホームページ以外でも可能です。ピアノ教室.comやピアノ教室.netなどの「ピアノ教室検索サイトへの掲載」をすることで、自らホームページを用意するより多くの人に魅力を伝えることができます。
2022年10月にリリースされたオトトノは優れたデザインと高機能性が特徴のピアノ教室検索サイトです。
多くの人にお知らせできるメリットがある一方で、ピアノ教室検索サイトではサイト経由で入会した生徒さん1名あたり4,000円の紹介料が発生します。
ホームページを制作する際には、この「紹介料をいくら削減できるのか」が経営上は大事な視点となります。
集客期待効果はコストを上回るか
例えば、新規生徒の目標が年間で「10名」とします。
そのうち、紹介サイトを経由しないホームページからの申込みが50%だとすると、年間20,000円(4,000x5名)の紹介料を削減できることになります。
上記目標設定の場合、
・ホームページの制作費用
・ホームページの運用費用
のコストを年間20,000円以内に抑える必要がありますので、制作だけで20万円近くかかるホームページ制作の外注は、選択肢から外れるでしょう。
運用コストを忘れずに見積もる
ホームページを制作する際には「制作費用」ばかりに目が行きがちですが、「運用費用」についても事前に整理しておく必要があります。
・どんなコンテンツを発信するのか
・どれくらいの頻度で情報更新するのか
など、サイトのポリシーによってはサイトの更新に大きく時間を費やすことになります。
また、インターネットサービスは進化がとても早く、2〜3年前のデザインは古くなり、ユーザーにとって使いづらいものになってしまいます。
ユーザーにとって分かりやすい情報発信を追求していくには、コンテンツだけでなく、サイトデザインも更新していく必要があるのです。
・ホームページの目標を数値で整理する
・目標に合わせて適切なツールを選択する
・代替サービスと比較し、ホームページ制作の意義を確認する
ホームページの制作手段を比較する
ホームページの制作手段は、
・デザインから自作
・コンテンツのみ自作
・全て外注
に大きく分類ができます。
費用目安 | 制作作業 | 必要な技術 | デザイン | 運用作業 | |
---|---|---|---|---|---|
パターン1 デザインから自作 |
月:3,000円ほど 主にサーバー代 ※自分の人件費は含まない |
・サーバーサイド開発 ・フロントサイド開発 (HTML+CSS) |
・サーバー関連知識 ・コーディング知識 |
・自由にデザイン可能 | ・サイトデザインの更新 ・コンテンツ作成/更新 |
パターン2 コンテンツのみ自作 |
月:0円〜 利用プランによって追加料金発生 ※自分の人件費は含まない |
・テンプレートから選択 | ・特になし | ・テンプレートの制約あり | ・コンテンツ作成/更新 |
パターン3 全て外注 |
初期費用:20万円ほど 月:3,000円〜 利用プランによって追加料金発生 |
・特になし | ・特になし | ・自由に依頼可能 | ・コンテンツ作成/更新 |
それぞれ
・費用
・制作負担(必要な技術と時間 / 自由度)
・運用負担(必要な技術と時間 / 自由度)
で整理すると分かりやすく比較ができます。
自作する範囲が大きいとコストが安く済み、更新も自由にできるというメリットがある一方で、必要とされるIT知識・プログラミング知識は高度なものになり、制作作業の時間負荷も大きくなります。
デザインから自作する
デザインから自作する方法は、IT・プログラミング知識がある方におすすめの方法です。
1から自分でホームページを制作する場合、サーバー・ドメインを用意してホームページを公開できる環境を整え、HTML・CSSを使ってサイトデザインを作っていく必要があります。
単純なホームページの制作は、プログラミングの中では難易度としては低い方なので、「自分でプログラミングも勉強したい」「既に勉強したことある」人にはおすすめの方法です。
ただ、全くプログラミングに馴染みがない人にとっては難しい内容になるので、初心者が始める際には注意が必要です。
デザインから自作する最大のメリットは、「魅力を伝え、入会に繋がるアクションを増やす」というホームページの役割を追求できるところです。短期的な課題の改善はもちろん、中長期的にホームページのデザインを更新し続けることができます。
デメリットは、IT・プログラミング知識が求められることと、特に制作の際にまとまった作業時間が必要となる点です。
HTML・CSSを勉強する際にはProgateはおすすめの学習サイトです。サイトデザインもモダンで分かりやすく、スマホ・PCどちらのデバイスにも対応できるレスポンシブデザインも学ぶことができます。
コンテンツのみ自作
コンテンツのみ自作する方法は、現在多くのピアノ教室が選択している制作方法です。
Wix、Jimdo、Wordpress等のサービスで、デザインテンプレートを活用しながら、ホームページのデザインをカスタマイズ。中身の情報コンテンツを独自に作成することでホームページを作成していきます。
この方法のメリットは、
・プログラミングの知識が必要ない
・多額の制作費が発生しない
ことです。
1からの自作で最大のデメリットとなる「プログラミング知識の学習」が必要でなく、外注の最大のデメリットである「多額の制作費」も発生しない、一番バランスの取れた制作方法になります。
最近はテンプレートとなるデザインも種類が増えており、デザインも綺麗に見せることができますよ。
デメリットとしては、カスタマイズに限界があることです。提供されているテンプレート以外の機能・デザインを制作することはできません。
また、どのサービス・テンプレートを使うのかは非常に重要なポイントです。自分に合ったものを選ぶことができないと、一気にホームページのクオリティが低下してしまいます。
デザインテンプレートを使ってホームページを制作するにはWixはおすすめのサービスです。英語になりますが、「音楽教室」のデザインテンプレートがあり、これを活用するだけでおしゃれなサイトが出来上がります。ベーシックプランは月900円で利用が可能です。
全て外注に任せる
外注は、主にIT部門のない大手ピアノ教室が選択している制作方法です。
制作費用は20〜30万円と高額ですが、プログラミング知識がなくても自社にあったホームページを作ることができます。
また、事前に要件をしっかり決めていないと高品質のホームページが出来上がらないことには注意が必要です。
特にホームページ制作が初めての方は、要件定義も初めての場合が多く、「定義の作成」、「制作会社との摺り合わせ」に想定より時間がかかってしまうケースがほとんどです。
外注は、ホームページの効果を追求したい、だけどもプログラミング知識はないといった教室に向いている制作手段となります。
ご希望があれば、おすすめの外注先を紹介いたします。
お問い合わせよりご質問ください。
【実践編】事前に整理するべきこと
どの制作方法でホームページをつくるにしても、低コストと高パフォーマンスを実現するには、事前に下記項目を整理する必要があります。
・目標
・コスト
・コンテンツ
・デザイン
・アップデート頻度
の5項目です。
これらを整理することで、より高品質のホームページを安く制作することができます。
事前整理の具体例
整理項目の中で最も重要なのは「目標」です。
目標を決めることで、採算の合うコスト感や発信内容・アップデート頻度などの他の項目も整理できるようになります。
目標設定について
目標数値を設定することで、かけることのできるコストなどの予算感・規模感を見積もることができます。
「ホームページからの入会人数」を目標として、具体的な例で考えてみます。
ー 目標 ー
教室の入会数は最低10名/年をベースにスタートし、3年後には30名/年が集まるようにしたい。
・1年目(10名):平均0.9名/月
・2年目(20名):平均1.6名/月
・3年目(30名):平均2.5名/月
ピアノ教室検索サイトを活用する場合、おおよそホームページからの入会割合は20%程度。
今回は教室検索サイトへ掲載をするため、月の目標は、
・1年目(2名):平均0.2名/月
・2年目(4名):平均0.3名/月
・3年目(6名):平均0.5名/月
と想定。
コスト設定について
コスト設定は目標数値から導き出すことができます。
目標を達成したときに、しっかり収益が出るように設定をしましょう。
ー コスト設定 ー
前述目標を達成できた場合、3年間の集客効果は、12名分。
ピアノ教室検索サイトとの比較で、入会1名あたり4,000円と仮定すると、その効果は48,000円分に値する。
この効果に見合うコストのかけ方をすると、
おおよそ
- 制作コスト:3年分で合計30,000円以内
- 運用コスト:月500円、36ヶ月18,000円以内
までにコストを抑える必要がある。
コンテンツ / デザインの設定について
コンテンツについては、
・講師の経歴/実績紹介
・レッスンコースの詳細
・教室の雰囲気/発表会の様子を伝えるブログ
・生徒さんの声(口コミ)
・お問い合わせフォーム
でサイトを構成するのが一般的です。
他のピアノ教室のホームページ事例を調査しながら、自身の教室に合ったサイトコンテンツ・デザインのイメージを固めていくのがお勧めです。
ー 発信内容 / デザイン設定 ー
平均的な目標数値になるので、一般的なピアノ教室と同等の情報発信内容とサイトデザインで十分。特別なコンテンツやデザインは必要としない。
アップデート頻度について
ホームページはアップデートを重ねていくことで、使いやすいものになります。より魅力を伝えるには、コンテンツを増やしたり、改訂したり、サイトデザインを改善していく必要があります。
ITサービスは時代の移り変わりがとても早いです。
現在、アクセスの多くがスマホに置き換わっていますが、多くのピアノ教室ホームページはスマホでとても使いづらいままになっています。
時代の変化に対応していくために、アップデートの頻度についても予め整理して対応していくことが重要です。
ー アップデート頻度 ー
大きなイベントやコース改定の時だけコンテンツをアップデート(年数回)。サイトデザインについては、スマホで見やすいデザインで制作し、3年間はアップデートを行わない。
※3年後にデザインについても見直す必要があるか検討する。
【実践編】コンテンツを企画する
先ほど具体例では、
・目標入会数:1年目10名→3年目:30名
・コスト:3年間で48,000円以内
・発信内容 / デザイン:テンプレートでOK
・アップデート:3年間はコンテンツのみ
と整理しました。
ホームページの制作手段を比較するでの各制作手段の特徴を踏まえると、今回の具体例ではコンテンツのみ自作を選定するのが良いでしょう。
本章では、制作手段を選定した後の「コンテンツを企画する」流れについて説明します。
基本となるコンテンツ一覧
ピアノ教室のコンテンツとして、その有無も含めて構成を考えるべきコンテンツは下記の10個です。
1. レッスンコース/料金
2. 講師紹介
3. 体験レッスン申込
4. お問い合わせ
5. 教室の雰囲気
6. 生徒さんの声
7. よくある質問
8. アクセス
9. お知らせ
10. ブログ/日記
必須のコンテンツ
「ピアノ教室の魅力を伝え、入会に繋がる次のアクションへ進んでもらう」というホームページの目的を考えると、
・1. レッスンコース/料金
・2. 講師紹介
・3. 体験レッスン申込
・4. お問い合わせ
は必須コンテンツとなります。
講師紹介では、先生の学歴・受賞歴といった経歴情報だけでなく、指導方針や人柄を上手く伝えることができるとより良いコンテンツとなります。
生徒さんの力を借りるコンテンツ
・5. 教室の雰囲気
・6. 生徒さんの声
は写真や口コミで、教室の魅力をさらに強化できるコンテンツです。
すでに教室に生徒さんがいる場合は力をお借りして、項目に追加するのがおすすめです。
口コミ情報は、よりリアルな情報を届けることが重要です。入会後にギャップを感じないよう、生徒さんの声を掲載していきましょう。ホームページは在籍中の生徒さんも見ることができるので、過度の脚色はリスクがあるのでおすすめしません。
教室に合わせて採用するコンテンツ
・7. よくある質問
問い合わせの多い質問は積極的に「よくある質問」に掲載していきましょう。より正しく教室の魅力を伝えるだけでなく、問い合わせ対応の削減にも繋がります。
・8. アクセス
教室の住所は公開可能な範囲で掲載しましょう。
自宅の場合は、大まかな住所まで記載し、実際の応募があった人にのみ案内することもおすすめです。
・9. お知らせ
ホームページテンプレートでよく提供されているコンテンツですが、有効活用はとても難しいです。
よほど発信頻度の高いピアノ教室でない限り、作成しないことをおすすめしています。
便利なブログコンテンツ
・10. ブログ/日記
ブログ/日記というカテゴリで、発表会の様子や教室の雰囲気、お知らせについて発信してる教室が非常に多くいらっしゃいます。
ホームページの更新に時間が取れない教室の方は、よく更新するコンテンツを「ブログ・日記」に限定して、情報発信していくこともおすすめです。
ブログ・日記は最新の記事の露出が圧倒的に多いので、更新頻度が高くない場合は、「イベントのお知らせ」のような消費期限の短い情報ではなく、「教室の雰囲気」や「発表会レポート」のような長期間に渡って魅力を伝えられるブログ内容にすることを意識しましょう。